1.デリーに到着

 デカン高原のプネーから汽車で約30時間ほどかかって、やっとデリーに到着しました。こんなに長い間、汽車に乗っていたのは生まれて始めてのことでした。乗ったのはエアコン付き2等3段式の寝台車、眠くなったら寝台のベットに横になり、また起きてはどこまでも続く雄大な景色を眺めながらの旅でした。

 時計を見ると、もうすでに夜の9時をまわっています。始めてのデリー、私は少し不安になりました。プラットホームは見渡す限り人・人・人でごったがえしていました。薄暗いプラットホームを歩いていて黒っぽい大きなかたまりをふんずけそうになり、おもわず立ち止まりました。よく見ると汚れた毛布にくるまって人が寝ているのです。あたりを見回すと、この黒っぽい大きなかたまりは、あちこちにありました。これからやってくる汽車を待っている人なのでしょうか?それとも、帰る家もなく朝までここで過ごす人なのでしょうか?

 デリーでは頻繁に、観光客や、バックパッカーが狙われると聞いていました。自分の荷物に充分注意しながらインフォメションセンターへと向かいました。実は、今晩泊まるホテルを予約していなかったのです。
しかし、残念ながらインフォメーションセンターの扉は、固く閉ざされていました。きっと、営業時間をとっくに過ぎていたからなのでしょう。

 うろうろしていたら、ホテルの客引きの男たちにまわりを囲まれてしまいました。
あちこちで「ここのホテルがいいよ」「いやこっちがいいよ」と言うような声がとびかっています。
私は、そのインド人のギラリとした目におもわず怖くなりました。どさくさにまぎれて「◯◯ホテルを予約しているので」と断るつもりで言えば、「そこは、今日は閉まっているよ」と言うありさま.....。
なんという所なのだろう、このインドという国は。

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