どこまでもついてくリキシャのおじさん

通りでは、リキシャのおじさんたちが待ち構えていました。が、値段の交渉も面倒くさいし、駅の近くにはホテルがたくさんあると言うので、歩くことにしました。ふと、後ろを振り返るとオンボロの自転車を引いたおじさんが何人かついてきていました。「サイクルリキシャに乗らないか?」と何度か声をかけられました。
「歩いて行くからいいです。」と断わったつもりなのに、ついてくる60代の痩せ細ったおじさんが一人いました。
この痩せ細ったおじさんは、3つの重い荷物と私たち2人が乗ったとして果たして、リキシャをこげるのだろうか?と疑問に思いました。
そんなことをさせたら、とても気の毒に感じたので「この近くだからいいです。」と断わりました。
それでも、帰ろうとしません。
何度断わっても帰ろうとしませんでした。
「5ルピー(15円ぐらい)でいいから乗ってくれ」というのです。
このおじさんの切羽詰まった感情が伝わってきました。
私は、おもわずポケットから10ルピーを出して「プレゼント」と言って渡しました。
それでも、まだ付いていてくるのです。
リキシャマンとしてのプライドなのでしょうか「乗ってくれ」というのです。
みかねて乗ることにし椅子に腰掛けると、おじさんはリキシャはこがずに押して行くのでした。
やはり、漕ぐには重すぎるのでしょうね?
荷物を背負わなくてもいいのでずいぶん楽でしたが、これでは歩いて行くのと同じ早さでした。
裏通りに入るとますます薄暗く、牛も寝ているし、人もうずくまっているし、変な匂いも漂っていて、ここはまさしく地獄の3丁目かと?思うと怖くて体がゾクゾク身震いしてきました。

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