シムラへ向かう

 朝早くデリーのホテルを出て、早朝6:00の汽車でニューデリー駅を出発し、カルカで下車。
カルカからはシムラ行きの登山鉄道に乗り換えました。

その列車はトイ・トレインという一両編成でおもちゃのように小さくてかわいい列車で内装も豪華でした。
ポッポッーと汽笛を鳴らして急勾配の山道を走っていきます。
思いがけず、ミネラルウォーターとランチ(インド式定食)もついていて、心はもう遠足気分でした。
 時折、頬をなでる風は異国の木々の香りまで運んで来てくれ、私の疲れたこころを癒してくれました。
窓の外では子供たちが手を振ってくれています。
無邪気な子供たちの笑顔の中に、まだ会ったことのないヤンチェンの面影を見たような気がしておもわず私も手を振り返しました。
 午後4時頃にシムラに着きました。
シムラーに着くと待っていましたと言わんばかりに赤い服を着たポーターが5〜6人荷物めがけて集まって来ました。
 お決まりのホテルの客引きと値段の交渉がはじまります。
値段の交渉は彼の役目、私は第三者の様に遠くから見守っていました。
 シムラはヒマーチャル・プラデーシュ州の州都で標高2200メートルにあり、インド3大避暑地のひとつです。
昔イギリスの植民地だったころは夏の間の首都だったところです。
教会などもありインドとは思えないような西欧風な町並みに驚きました。
急斜面に広がるバザールはとても賑やかでチベット人の店が集まるバザールもありました。
 南インドは気温40度を越えるというのに、ここはとても涼しくセーターを着ている人もいました。
私は風邪をひかないようにとインドで買った大きめの布を羽織ってレストランへと向かいました。
インドでは1枚の布(ショール)があるととても重宝します。
暑いときは日除けとしても使えるのです。
 眺めのいい場所に席をとって少し早めのディナー ・・・・・。
インドに来たらインド料理でということで、サブジ(野菜)カレーとチャパティをオーダーしました。
 明日には、ポアンタ・サヒブ校にいるヤンチェンに会えるかと思うと胸がはずみました。
翌朝、散歩の後、ホテルのフロントにタクシーの手配をお願いしました。
「どこまでいくのか」と聞かれ、「ポアンタ・サヒブ校」と答えたところ、シムラではなくてシルモアにその学校はあると言われました。
ヒマーチャル・プラデーシュ州の境にある町で、しかもタクシーで6時間かかると聞いて、思わず2人で顔を見合わせてしまいました。
 シムラにくれば、時間がかかっても10分か30分あればヤンチェンにすぐ会えると思っていたからです。
さらに今からでは日帰りは無理だろうということでした。
間違いではないかと、もう一度たずねてみましたが、やはり同じ答えが返ってきました。
さらにあまり理解できていないと思ったのか、親切に地図まで出して説明してくれました。
会いたい気持ちと6時間かけて行っても本当に会えるのだろうかという不安で頭の中はごちゃごちゃになっていました。
でも『ここまで来たんだからいこうよ』という心の声にしたがって行くことを決意しました。

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