やはり起きたアクシデント

部屋に戻って荷物をまとめ、タクシーが来るのを待ちました。
結局タクシーが来たのは、それから1時間後の10時30分頃でした。
 タクシーと言っても日本の軽自動車スズキのキャリーの旧型と同じ型でインド名でマルチという名前がついています。
その車は、タイヤは溝がなく、サイドミラーは壊れてなく、ドアも少しへこんでおり日本のタクシーの印象とはほど遠いものでした。
 運転手は20歳ぐらいの若々しい青年でしたが英語がまったく通じません。
そのうえ、彼はポアンタ・サヒブに行くのは今回が始めてだということが解りました。
 出発前には目的地までの安全を願ってかフロントミラーに飾られたヒンドゥー教の神様の前で、香が焚かれ車内には甘い香が漂っていました。
インド独特の宗教性が感じられ、こちらまで身が引きしまりました。
 車は山の尾根にそって続くザ・モールと呼ばれる目抜き通りを抜け、タクシーの中に流れるリズミカルなインド音楽に合わせるかのように 快適に走り続けました。
眼下には、素晴しい景色が広がっていて、とても美くしく感じました。
 がしかし、 1時間ほど走ってパンクしてしまいました。スペアタイアは積んであったのですが取り替えない方がまだましと、思えるほどのボロボロのタイヤです。更なる一抹の不安を残し たまま、車は走り出しました。
いつまたパンクして事故に会ってもおかしくない状況の中、カーブを曲がるたびにドキドキし、対向車や大型トラックとすれ違うたびにハラハラし、私の不安は、 ますますは高まったのです。
「止めて!止めて!」と言う私の言葉が通じていたのかどうか、少したって修理屋らしい小屋の前で車は止まりました。
ドライバーは車から降りて、うす汚れた服を着て汗まみれで働いていた店の主人と何か話していました。
車に積んであったパンクしたタイヤを修理交換するためために少し休憩をとることになりました。
車から降りてみると、そこは小高い丘の上で遠くにそびえる山々がとても美しく、思わず両手を広げ
思いきり深呼吸をしました。
 ホッとしたのも束の間、 交換が終わったのか、私たちを呼ぶクラクションの音が遠くで聞こえました。
ところがパンクしたタイヤを修理しただけで、あのボロボロでツルツルのスペアータイヤとの交換はしていませんでした。
 日本だったら即タイヤ交換するだろうに、その気配がまったくなく、また曲がりくねった山道をクラションを鳴らしながら、スピードを落とすことなく走っていきました。
石ころだらけの山道、またパンクするのも時間の問題と思われましたが、こうも違う日本との感覚の差にただただ当惑する私でした。
後はただ、無事に着くことを祈る事しかできませんでした。

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