ボディ・アウェアネス

ワークショップ体験記


 

    トランスパーソナル学会東北支部 活動報告

【 東北支部主催 研修会
「忘れていた身体感覚を取り戻す」を終えて 】

            東北支部役員 佐伯 里花
 
去る8月1日、東北支部ではイーハトーブ心身統合研究所の代表である 清水友邦さん を講師にお迎えし、平成20年度における第2回目のセミナーを開催いたしました。

今回の企画を実施するにあたって何よりも大切にしたことは、「今の東北になにが必要か」という視点です。現代社会全体の流れを観ると、メうまく生きることモに焦点があてられ、メ今、ここでモの自分の感情や感覚を置き去りにしている傾向が強いように思えます。それはまた、此処東北の地においても例外ではありません。このことはメプレパーソナルモからメパーソナルモへと続く道、つまり自己を確立していこうとする流れを大きく阻む要因となっていると考えられます。今回の企画は、こういった社会の流れと、前回のセミナーで行った「自己表現」を中心とした流れから、自分自身の微細な感覚を体感レベルで取り戻していくことを狙いとしました。 ボディワークは、周囲との関係性や心の内に抑圧していることなどの抵抗を後回しにできるので防衛が働きにくく、誰もが自然に自分を受け入れていくことができるようです。そんな良さがある点もこのような身体的セミナーを企画した大事な視点の一つでした。

当日は役員4名を含め計25名の参加者が集まりました。東北ではこういったセミナーに参加するのはいつも女性ばかりで男性が少ないのですが、今回は珍しく多くの参加を戴き、男性でも身体の状態について関心を持っている方が意外にも多いのだということを実感しました。それと共に、企画段階でも出ていた「人は、知的な理解よりも身体から体感的に入っていくことのほうが抵抗や防衛が起こりにくいのではないか」という見解を裏づける結果になったと感じています。

 ワークの初めに、清水さんから精神免疫学や、脳の働き、思考と感情と身体感覚の観察についてなど、身体をゆるめメ気モを通すことの意味についてのお話がありました。清水さんにお会いになった方にはお分かりだと思いますが、その独特の飾らない雰囲気と誠実なお人柄が伝わってくる語り口で話される内容は、私たちの心の中にスーッと入ってきました。ひと通りのお話が終わったあと、それぞれでペアを作りゆっくりとワークに入っていきました。ワークの内容は、終始身体感覚に焦点があてられる内容となっていました。最初のお話の中に、現代の人間は脳の新皮質(思考をつかさどる部位)ばかりを使っていて、いわゆる本能をつかさどっている脳幹が小さくなってきているという内容がありましたが、それは脳(思考)を休め、脳内の血液を再配分する必要があるのだという事を意味しているということでした。つまり、私たち人間は、なにか気になることがあると、それに囚われてしまい、そこから離れられなくなってしまう(思考への固執)→ エネルギーがうまく流れない→ 身体への影響 という悪循環に陥ってしまいやすくなるので、身体感覚から自分を取り戻していくことが必要になります。まさに今回のワークはそこに無理なくアプローチできるようなプログラムになっていました。 心地よいゆったりとした、時にリズミカルな音楽、すべてを包み込むような清水さんの柔らかな笑顔・・・参加者の方たちも安心してワークに入りこめているように見うけられました。

 また、休憩時間には普段感じていること、ワークやお話の中で疑問に思ったことなどを講師の清水さんに直に質問したり、参加者同士が感じたことをシェアし合ったりと、それぞれの個人にとって有意義な「雑談」ができていたようでした。
 
役員内でもこの「雑談」については、構えて話す必要がないので自由なやりとりができる豊かな時間に成り得ると感じており、今回のセミナーのプログラムの中でも大切にしていた部分でしたので、実際にリラックスできていた皆さんの様子を観て嬉しく思いました。
 最後は、全員で小さな円になり、隣同士が手をつないでの振り返りとなりました。
その中では、「自分がいつもいかに緊張して過ごしていたのかがわかった。」とか「他者と触れ合う事により、エネルギー交換ができた。」等々、体感的なメ今モの率直な感想が幾つか出ました。

会の終わりに、次回以降の企画へのつながりの意味も含めて本支部長の石垣美幸から『からだと感情 なぜ「ノー」と言えないのか からだは嘘をつかない うつ・不安・失感情・〈からだ〉からのアプローチ 著;アレクサンダー・ローエン』、『スピリチュアルと「我執性」 著;西平 直』などの関係する書籍から抜粋したコピーが配られました。( 以下略)

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【 参加者の感想 】

(一般参加者) Aさん

ゆーほーさんが講師をされた、日本トランスパーソナル学会 東北支部主催のセミナー「忘れていた身体感覚を取り戻す」に参加して来ました。

私は去年のワークに参加した時に感情面が 異常に過敏に反応している事に気付いてから、ワークには参加しないでいました。でも今年に入ってから大分落ち着いて来たので、ワークに参加しても 大丈夫かなと思いました。それに私の日常生活は、ただでさえ狂っているので 幾らかでも 自分の身体感覚を取り戻したいと思ったのでした。

私の夫は人の影響を受け易いために、ワークなどの 他人との接触による影響を 極力避けているのですが、身体と心のつながりについて、最近非常に感じたり思う所があるので、身体の事なら出たいと言いまして、今回は私と一緒に参加しました。私のこれまでの経験では、自分探しのワークに参加する人は、女性の方が断然多いのですが、この日は若い男性が沢山参加していてちょっと驚きました。身体から入るのは男性にとってとっつき易いのかなと思いました。

最初はゆーほーさんの身体の話があり(色々感じたのですが、メモしていなかったので忘れてしまいました)、ゆっくりゆっくり身体をほぐしたり、緊張した状態を感じてから 力を抜いた身体を感じたり、 人に身体を預けて力を抜く事に慣れたり、普段経験しない肉体の感覚を経験しました。指圧師とか整体師では無い一般の人による腕や足を揺らしたり、押したり廻したりがとても気持ちが良くて、身体から段々力が抜けて行きリラックスするにつれて、どれほど普段緊張しているのかが解りました。

 普段の私は常に非常に緊張しており、視界に入った全てを 記憶していたいと思っているほど あらゆる感覚を研ぎ済ませたがっているようなんです。特に人と会うと 誰にどの程度合わせたものか判断に困るので、脳がフル回転している訳ですが、この日は一日中眠くて、眠くて眠くて、ゆーほーさんが語っている事も 頭の上を飛んで行き、ゆらゆらしている間も「ああ、このまま眠ってしまいたい」と何度思った事か! お昼も夫に買いに行ってもらい、その間私は床に転がって眠り、午後の休憩時間も 私は床に転がって眠り、ゆらゆらしたりされたりしている間も眠くて眠くてぼーっとしていたので、今思うとそれで人の事を全く気にしないで 自分がする事だけに 集中出来たのじゃないかと思います。

 最後に皆で手を取って輪になり、感想を言ったのですが、人とくっ付くほどに近寄るのなんて普通だったら緊張して 脳のどこかで危険信号が出ると思うのですが、そこでずっと身体と心をほぐす作業に みんなで没頭したので、身も心もほぐれていたせいか、全く気になりませんでした!

感じた事や考えた事を 一人一人が言いましたが、何を言ってもゆーほーさんは 受け入れてくれて それはそれは気持ちの良い 優しい思いに満たされました。例えば「もっと緊張が解けたら良かった」と言ったとすると「そんな自分もオーケー」とにっこりするゆーほーさん。「○○出来なくて残念」とか言ったとすると「そんな自分だってオーケー」とにっこりするゆーほーさん。身体が柔らかくなって緊張がとけたら、心の緊張もとけてふうわりふうわりしていたから、本当にゆーほーさんのように 誰も彼も何もかもオーケーって思えました。

いつもこんな気持ちでいたら些細な事でカッカしたり、些細な事で過去の感情を掘り起こして自分を責めたり人に反応したりしないんだろうなぁ〜と思いました。世界中の人がこんな気持ちになったら、戦争も諍いも起きないと思う、 と言った人がいて、本当だなぁ〜と思いました。ああ、幸せだ〜って何十年振りかで心底ふんわりした心地良い状態になりました。

身体と心の繋がりについて、最近とても強くて大きいものがあると気付いていた訳ですが、半日間ゆらゆらしたりされたりしただけで、こうも心に影響がある事に驚きました。私は心の事ばっかり考えてしまっていた訳ですが、身体から行く方向もあるなぁと、ようやく思いました。もっと動いたり、気分転換の何かをする大事さを改めて考えさせられました。心と身体は一体で、心が感じた事は身体も感じているので身体の症状にもっと耳を傾けて 私の心を知りたいと思いました。 緊張はうれしくないもんなんだなと 思いました。ゆーほーさんみたいに 緊張を解いたゆるゆるした自分が いつもそこにいると良いのになぁと思いました。

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(一般参加者) Bさん

初めてのワークショップでしたが,大変リフレッシュすることができました。
社会人としての日常生活では,否応なく理性的に,かつ自分の思いよりも組織の論理を優先させた判断・行動を取らざるを得ません。私の場合,折り合いをつけていたつもりでも,錯雑する思いを気づかぬうちに心の底に溜め込んでしまい,身動きがとれなくなる事態に見舞われました。
清水先生の話された脳の三つの部位をバランスよく働かせるというお話しは,こうした私にとって大きなヒントとなりました。実際のワークにおいても,うまく入り込めた時には,下手なマッサージを受けるよりもずっと手足がほぐれることが体感できました。

今回のワークショップにより,身体の声を素直に聞くことが,自分にとってどれだけ大きな力になるかということを強く実感した次第です。また,ワークショップ終了後のメール句会(毎週結社の有志で行っている)では,ひさしぶりに好成績を収めることができ,これも心身がほぐれた効果かなと受け止めております。
清水先生,受講の機会をいただいた関係者の皆様,改めて深く感謝申しあげます。

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その他、当日参加者のアンケートより〜

・メ体モを感じる事の大切さを再確認しました!ありがとうございました。

・久しぶりに心と身体が一体した感じで、呼吸がらくになりました。頭だけで考えて、やめられなしない自分を責めてしまう自分を許すことを教えていただきました。

・場や人との一体感を感じることが出来た心地よい時間でした。次回以降のセミナーでも身体や心に焦点を当てた時間を取ってもらえることに期待しています。

・頭を使わないリラックスの仕方が勉強になりました。また、一人では感じられない新鮮な感覚を2人2組のワークで体験できたのは貴重な経験になりました。

・非常に貴重な経験ができました。楽しい時間をすごさせていただきました。

・自分自身と向き合う良いきっかけを与えて頂きました。ありがとうございました。

・始まってすぐ、いごこちのよさを感じました。人とふれ合うことにていこうがありました。でも今日は、初めてあいてとふれ合ったりできる私をゆるせました。

・力を脱こうとすればするほど固まって、なかなか始まりはスムーズにいかなかったけど、最後にはなんか体がホっとする感じになって来てよかったと思った。

・身体も心も軽くなりました。本当に良い機会をありがとうございました。

・感じ方について興味をもっていましたが、思ったより感じ方は、フクザツでフシギなものだと感じました。予想以上の楽しい時間でした。ありがとうございます。

・ワークを続けるうちに、心身の緊張が抜けて、自力ではできないふわふわした気持ちになりました。ささいな事も、いつも気になり、人の事もひどく気にしていしまうのに、今日は子供の頃のような、先入感や決めつけのない、ピュアな状態になれて、すごく良い時間をすごしました。この感覚をふだんの生活でも思い出せたら良いのにと思いました。

・身体の感覚を感じ、リラクゼーションできました。他の参加者の方たちと、ワークしたり、シェアできたのもよかったです。

・いかに、頭ばかり働かせていたか。リラックスしているようで実はしていなかった。

・普段いかに頭ばかりで考え、身体の声を聴いていないかがわかりました。また午前中のワークではメ今ここにいる自分モここにいていいんだと思え涙が出ました。午後も握手をそのまま受け入れること、相手に受けいれてもらえることを感じました。とても、気持ち良い時間でした。ありがとうございました。

・楽しい体験でした。もっと(?)く学びたいです。

トランスパーソナル学会 HPより転載
http://transpersonal.jp/archives/category/shibu_tohoku


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